99年合併を発表したD勧銀・F・K銀も、合併後は個人向けの銀行、中小企業向けの商業銀行、投資銀行と機能別に分けるとの構想を発表したが、方向としては正しいと思う。
ただ、ここで生じてくる問題は、給与水準をどう調整するかである。
現在の行員は一括採用で、どの部門にいる人もほぼ同じ水準の給料が支払われているが、もし機能別に分けるとなると、相当な格差をつけなくてはならない。
グローバルな人材マーケットの基準に合った給料に合わせなければならないからだ。
それが可能かどうか。
きくところによると、合併直前に全員退社し、改めて一人ひとり面接して、契約条件を決めると伝えられている。
真偽のほどは定かではないが、それも一案であろう。
インセンティブとは、「刺激」「動機づけ」の意。
経営側からみた場合、従業員のやる気を引き出すための制度。
具体的には、成果に応じた給与、報奨金、またはストックオプション制などがある。
結局、これからはグローバルなマーケットで通用する本物のプロフェッショナルが求められているのだが、そういった人材を確保するには、それに対応した処遇が必要になる。
これまでの歴史的経緯をみると、どこかの一部門の儲けた分を、儲けなかった部門に均霊するのが日本の配分システムだった。
それを変えようというのだから、いろいろ抵抗を受けるのは当然である。
過渡期の苦しみとしては甘受せざるを得ないが、方向性としてはこれしか道がない。
そうでないと、何も仕事をしない中高年に高い月給を払い、若い人たちにはきびしい仕事をさせながら安月給というのでは、優秀な若い人を集めることはできなくなるだろう。
こういう時代になると、入社して5年経った人と10年勤めた人と、どちらが仕事ができ、会社に利益をもたらしているのか、といったことが問題になる。
もし前者のほうが貢献度が高かったら、その人の給与が高くてもおかしくない。
いまの年功序列のままなら、5年目の人は〃5年目なりの仕事をしていれば済む〃と考える(いわゆるモラル・ハザード)わけで、会社全体としてマイナスになる。
インセンティブ・システムが効果をもたらすためには、やはり労働の流動性が確保されなければならない。
たとえば、労働省は人材派遣の業種を限定していたが、それなども早急に撤廃すべきだろう。
なぜならば、会社の査定に満足できない人は、労働市場に活路を求めざるを得ないからである。
労働市場が整備されていれば、会社の評価もより客観性の高いものになっていくだろう。
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